Case

お忘れ物の登録作業9割減 電話問合せも3割減で現場の負担軽減
首都圏新都市鉄道株式会社
首都圏新都市鉄道株式会社 運輸部 旅客課 益田 貴仁様(左)、齊藤 希優様(右)
東京都の秋葉原から茨城県のつくばまでの58.3kmを最速45分で結ぶ高速鉄道「つくばエクスプレス」。その安全・快適な運行を支えているのが、首都圏新都市鉄道です。
今回、駅係員の業務の効率化とお客様の落とし物のお問合せの利便性向上を目的に、「落とし物クラウドfind」を導入いただきました。
findの導入の経緯やその効果について、首都圏新都市鉄道株式会社 運輸部 旅客課 益田 貴仁様に話を聞きました。
目次
find導入前の課題を教えてください
つくばエクスプレスでは、月間約3,900件にのぼるお忘れ物を取り扱っています。
沿線の再開発やインバウンドのお客様の増加によって年々お忘れ物の取扱量は増加傾向にあります。
従来の遺失物管理システムにはいくつかの課題がありました。1つは登録できるお忘れ物の情報がテキストのみだったことです。係員によって色や形状の登録情報が異なり、お客様からのお問合せと情報が一致しづらい課題がありました。
また、専用端末でしか登録できず、複数個所での同時処理ができない点も業務の負担になっていました。
加えて、各駅やお忘れ物問合せセンターへの電話によるお問合せも非常に多く、本来の業務である窓口対応や車椅子利用のお客様へのご案内などを圧迫してしまっている状況でした。
さらに、警察へ遺失物を送付する際にも、紙のリストを印刷して現物と一つひとつ照合する作業があり、現場にとって大きな負担となっていました。
findを選んだ理由を教えてください
旧システムの更新時期を迎えた際、現場からの「画像で検索したい」という要望を叶えるため、複数社のシステムを比較検討しました。
比較検討する中で、システムの導入コストの安さではなく「いかに現場の業務負担を減らせるか」「部分的な業務削減よりも業務全体が削減されるか」という点に重きを置きました。
その中で「find」を選んだ理由は、単に画像を登録できるだけでなく、AIが自動的に遺失物の特徴を判断して登録してくれる点や、複数枚の写真が登録できる点です。また、警察へ届け出るための検品作業が簡易的になることや、将来的な他社との「横断検索」といった拡張性も高く評価しました。さらに、チャットによるお問合せ対応を代行してくれるサービス(BPO)が含まれていたことも大きなポイントでした。
経営陣にも「業務効率化による負担軽減こそが最大の投資効果である」と説明し、導入を決定しました。
findの導入にあたって苦労した点はありますか?
旧システムは約20年間使い続けていたため、現場の係員はその操作に慣れきっていました。新しいシステムへの移行と仕様・運用の変更には少なからずハレーション(抵抗感)が発生します。現場の不安を払拭するのは注意した点です。
これまで細かく手入力し、紙のリストで入念に確認していた現場からは業務が簡易的になるので「入力項目が少なくてマッチングできるんですか?」「警察への届け出は問題ないのですか?」といった不安の声がありました。
そうした声に対して、find導入の目的と意義を全係員に共有する9日間にわたる研修を実施しました。findの担当者から他社事例も交えながら問題がないことを伝えるなど、現場の不安材料を一つひとつ解消しながら導入を進めていきました。
実際に運用が開始してからは当初挙がっていたハレーションの声は聞かれなくなりましたね。
全係員向けの説明会開催と、導入前に現場を含めて話し合うことがスムーズな浸透のために重要です。

find導入の成果を教えてください
find導入後、業務負担は劇的に軽減されました。
これまで1件あたり15〜20分かかっていた登録作業は、AIの画像認識により1〜2分で終わるようになりました。警察への届け出作業も、QRコードを読み込むだけで完了するため、現場からは「非常に楽になった」という声が上がっています。
また、お客様へのご案内もスムーズになりました。findはクラウド型なのでお忘れ物問合せセンターや駅の窓口のタブレットで同時に登録・検索できるようになったので作業のための移動や待ち時間がなくなりました。
さらに、チャット対応の導入により、各駅へのお忘れ物に関する電話はほぼなくなり、お忘れ物問合せセンターへの電話も月間900件から600件以下に減少しました。
遺失物対応の時間が大幅に削減されたことで、駅員は防災監視やカメラ監視など、本来注力すべき安全管理やサービス向上のための業務に時間を充てられるようになっています。返却率も約37%と、鉄道会社の中でもトップクラスの高い水準を維持できています。

今後の展望を教えてください
今後は、お客様をよりスムーズにfindのチャット窓口へ誘導していくことが直近の課題です。現在も車内ポスターなどで周知を行っていますが、デザインの工夫などを通じてお客様への周知を図っていきたいと考えています。
また、保管期限の3ヶ月が過ぎた「満期遺失物」の活用も検討しています。現在は業者に引き取ってもらい廃棄しているものが多いのですが、findのリユース事業「findリユース」を活用し、フリマアプリ等で販売して売上の一部を還元できる仕組みができれば、環境にも当社にもメリットがあると考えています。
そして最も期待しているのが、他社との「横断検索」の実現です。お客様にとって、複数の鉄道会社をまたいで移動された場合、「どこに問い合わせればいいのかわからない」というお悩みがあります。findに問い合わせるだけで、会社を問わずお忘れ物が見つかるようになれば、お客様の利便性は飛躍的に向上します。
今後もシステムを最大限に活用し、お客様へのサービス向上に努めていきたいです。
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