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落とし物対応をAIで変える─業務コスト80%削減・返却率3倍を実現した西東京バス・西鉄バスの事例

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    落とし物対応をAIで変える─業務コスト80%削減・返却率3倍を実現した西東京バス・西鉄バスの事例

    「また電話だ」「今日も警納書類の作成が終わらない」——バス会社の落とし物担当者なら、この言葉に覚えがあるのではないでしょうか。

    路線バスは1台ごとに落とし物を回収し、車庫に持ち帰り、台帳に記録し、問い合わせ電話に対応し、月末には警察提出書類を作成する。この業務の連鎖が、担当者の時間を静かに蝕んでいます。

    2025年9月17日に開催されたfindのバス事業者向けウェビナーでは、西東京バスと西鉄バスの担当者がfind導入後のリアルな変化を語りました。業務コスト80%削減・返却率3倍・警納業務が半日から1時間に短縮——その数字が示すのは、「仕方がない」とされてきた業務が、確実に変わるということです。

    まず、数字で見る導入前後の変化

    指標

    導入前

    導入後

    業務コスト

    基準値

    約80%削減

    返却率

    約10%(業界平均)

    約30〜40%(約3倍)

    警納業務(月末書類作成)

    半日かかっていた

    約1時間に短縮

    電話問い合わせ対応

    毎日多数の入電

    ほぼゼロ(西鉄バス)

    落とし物登録時間

    約10分/件

    約2分/件

    (find調べ、2025年時点)

    バス会社の落とし物管理が「特別に難しい」理由

    路線ごとにバラバラな保管場所と情報管理

    路線バスの落とし物は、回収した車両・車庫・営業所によって保管場所が異なります。「どの営業所のどの棚に何が入っているか」を管理するだけでも、手作業では限界があります。

    find調べでは、バス会社1社あたりの月間落とし物件数は平均300〜1,500件に及びます。この件数を手書き台帳・Excelで管理しながら、問い合わせにも対応する——そのしんどさが、現場の「慢性的な疲弊」を生んでいました。

    警納業務が「半日仕事」になる構造的な問題

    バス会社特有の課題として、警察への定期的な遺失物届け出(警納)があります。各路線・車庫の落とし物を集計し、警察が指定するフォーマットに転記する作業は、月末に集中して発生します。

    西東京バスでは、この警納業務に毎月半日を費やしていました。findの導入後、登録済みデータからCSVをボタン一つで出力できるようになり、約1時間に短縮されています。

    電話問い合わせに対応しながら運行業務もこなす現場

    落とし物の電話問い合わせは、乗客の移動中・帰宅後に集中します。営業所の電話が鳴り続ける時間帯に、スタッフは運行管理も並行してこなさなければなりません。

    西鉄バスでは、find chat導入後に電話問い合わせがほぼゼロになりました。「電話対応がなくなったことで、スタッフが本来の業務に集中できるようになった」という声が届いています。

    西東京バス・西鉄バスが語った導入のリアル

    西東京バス 営業部 乗合担当 桃井尭大氏

    西東京バスは2024年8月13日より「落とし物クラウドfind」を導入しました。京王電鉄とのオープンイノベーションプログラムを通じてfindと出会い、導入を決めた同社では、月間1,000件以上の落とし物を扱う現場が大きく変わりました。

    特に桃井氏が強調したのは、若手社員の活躍とモチベーション向上でした。「システムが整備されたことで、若い担当者がfindを使いこなし、落とし物対応をリードしてくれるようになった」という変化は、業務効率だけでなく、チームのやりがいにもつながっています。

    西鉄バス 自動車事業本部 計画担当 三苫千春氏

    西日本鉄道(西鉄)は2025年1月9日より、バス・電車・商業施設を含むグループ全体でfindを導入しました。年間18万件の忘れ物と6万件の問い合わせを抱える規模での導入は、業界でも大きな注目を集めました。

    三苫氏は「電話での問い合わせ対応がほぼなくなったことが、現場スタッフへの一番大きなインパクトだった」と語っています。LINEとAIを組み合わせた問い合わせ窓口の整備によって、夜間・休日の問い合わせも自動受付できる体制が整いました。

    バス会社がfindを導入するステップ

    ステップ

    内容

    目安期間

    1. 現状把握

    月間落とし物件数・警納工数・電話件数を集計

    1〜2週間

    2. 導入相談・デモ

    営業所数・路線規模に合わせた設定を確認

    1週間

    3. 先行営業所で試験導入

    一部の営業所でシステムを稼働させ、運用を確認

    2〜4週間

    4. 全営業所展開・研修

    全担当者が操作できるよう研修を実施

    1〜2ヶ月

    5. find chat公開・チャット誘導施策

    バス車内・公式サイト・IVRでfind chatへ誘導

    展開と同時

    今後の展望——横断検索・findリユース・findセンター

    ウェビナーではfindの新事業構想も発表されました。

    横断検索ネットワークでは、バス・鉄道・タクシー・空港を横断した落とし物検索が可能になります。「バスで落としたのか、乗り換えた電車で落としたのかわからない」という最も多い困りごとに、1回の問い合わせで答えられる仕組みです。

    findリユースでは、保管期限を過ぎた満期遺失物をメルカリ経由で再流通させます。廃棄コストの削減と収益化を同時に実現する取り組みで、バス会社での導入も今後拡大予定です。

    findセンターは、遺失物管理業務を丸ごとアウトソーシングできるサービス構想です。「システムは入れたいが、運用する人員が確保できない」という小規模バス会社の課題に応える取り組みです。

    まとめ

    「仕方がない」とされてきたバス会社の落とし物業務が、ようやく変わりはじめています。

    業務コスト80%削減・返却率3倍・そして警納業務の半日から1時間への短縮——。西東京バスと西鉄バスが示した数字は、バス業界全体に再現可能なものです。

    落とし物が返ってきたとき、お客様から「ありがとう」という声が届きます。その声が、現場スタッフのやりがいになり、バス会社への信頼に変わっていきます。

    次のアクション

    バス会社・交通機関の担当者の方

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